KING OF THE HILL(原題:EL REY DE LA MONTANA)


なんというか、とても不思議な映画を観てしまった・・・

とりあえず↑のトレーラーを観ていただければわかるとおり、謎の狙撃手に襲われる旅行者の恐怖を描いたマンハント映画・・・なんですが・・・
(以下、ネタバレあり!)
なんか、全体的にまったりしてるんですよねぇ・・・同種のテーマである「激突」や「ヒッチャー」に比べると、あきらかに緊迫感は下回る。ただ。妙に捨てがたい雰囲気があるのが不思議です。不運な旅行者と万引き女に、上司をスナイプされちゃった田舎の保安官助手*1を加えて、途中からなんだか珍道中っぽくなっちゃうしね。コイツら、なんか不用意に姿晒しすぎなんだよなぁ・・・まぁ、ロケーションが無駄に広いのもまったり感に一役買ってますね。謎のスナイパーの攻撃もさして執拗じゃぁないし。
そして、主人公に置き去りにされたヒロイン*2が狙撃手に撃たれて死亡、というなんともいえない展開を挟み*3、後半は狙撃手さん視点で展開。
なんと狙撃手はガキンチョ兄弟*4でした。まさかの「無軌道な少年達」ネタですよ。冷酷なプロフェッショナルを期待していたるしは吃驚。そして、最後の最後に反撃に出た主人公も吃驚。銃を取り上げたものの子供なんで躊躇しちゃう良識派主人公*5。でもナイフでさらに攻撃してきたんで、そこは大人の腕力を生かして溺死さす主人公。
そこに気弱な狙撃手・弟登場。兄の死に主人公に銃口を向けるも、お兄ちゃん死んじゃって悲しい彼は自殺を試みる。それを止める人情家・主人公。*6しかし、結局自殺しちゃう弟。
旅行先でお金もなく自家用車はスクラップだわ、脚に被弾してるわ、おにゃのこ見殺しにしちゃったわ、目の前に子供の死体が二つも転がってるわでなんだか無性に泣けてきた主人公のもとに、狙撃手兄弟の飼い犬がしっぽふりふり寄ってきて、主人公をペロペロ舐めるのでした。

結論:しっぽふりふりわんこは可愛い☆


・・・この監督は何を描きたかったんだろうか・・・展開のわりになんだか悲壮感や凹むような重さはないんですよね。狙撃兄弟パートでやたら挿入される主観視点シーンは、なんだかFPSゲームを思い起こさせるし。*7そして終盤、まさかの人情シーン。まぁ、ある意味何が描きたかったかは明確なわけですが^^;
まぁ、マンハント映画としては間違いなく異色作。というか、DIMENSION EXTREMEレーベル*8から出すにしちゃあ、ちょっと駄目な作品といえるでしょう。緊迫感さえ上手く演出できていれば傑作たりえたんだろうなぁ。でも、なんでか、ちょっとコレを気に入っている自分がいます。散漫ではあるが個々に観るべきところはある。そんな感じです。

*1:スペインじゃ実際どういう役職名なんだろう?

*2:腕に被弾してます

*3:実際は途中で思いとどまり、踵を返すんですが、結局間に合わなくて銃声バーン!結局逃げ出す、というカッコワルさがある意味最高

*4:親友かも?

*5:でもトイレで誘われればヤっちゃうし、ヒロインは見殺しにしたんですけどね!

*6:でもトイレで誘われればヤっちゃうし、ヒロインは見殺しにしたんですけどね!

*7:あの主観シーンは素晴らしい。ゲーマーな私はゾクリとしましたw

*8:ホラー専門レーベル。ウチにある輸入盤DVDはほとんどココのです