ヤッターマン


ヤッターマンは劇場で観ないとおしおきだべ〜」
の一言で終わらそうかとも思いましたが、それじゃTwitterのつぶやきとほとんど一緒なのでもう少しだけ。


とにかく、徹頭徹尾「ヤッターマン」であることに驚いた。それはまさに、実写化された「ヤッターマン」以外の何者でもなかった。「アニメの完全なる映画化」の理想的な実例として、向こう10年は引き合いに出されることになるだろう。もし、この映画を先に観ていたら、私は「DRAGONBALL EVOLUTION」の感想をあんなに好意的には書けなかっただろう。*1それくらい、全ての点で完全無欠な「映画化」だったのだ、「ヤッターマン」は。
無論、若干の意図的な差異はある。代表的なのはドロンジョのキャラクター性の差だ。深キョンがキャスティングされた時点で原作同様の妖艶な女王様は望むべくもない。そして、ドロンジョとガンちゃん*2の恋愛要素。あー、また最近の馬鹿な若人に媚びましたか?そりゃフカキョンと嵐*3だしねー?なんて地雷予想して御免なさい。この2人の恋愛模様が、実に巧く「ギャグ」の柱として機能しているのだ。そしてそれは「若く、恋に恋するドロンジョ様」でなければ成立しないプロットであり、キャステイングが先かシナリオが先かわからないが、この2つの要素は奇跡的な科学反応で大いに笑わせてくれた。
ビジュアル面にも触れなければなるまい。とにかく、これほどCGが違和感ない邦画を私は知らない。予算の潤沢な大作洋画と比較しても稀有な例だと思う。実にヤッターマン的なビジュアルが、ヤッターワンや今週のビックリドッキリメカの造型だけでなく、背景小物含め、トータルで完璧に実写化され、そこに一片の違和感すらないのだ。完全な世界観の創造という点では、「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」のそれに匹敵する。
と、小難しい理屈は実はどうでもいいのだ。オリジナルにしろリメイクにしろ、もし「ヤッターマン」に面白さを見出せるなら、この劇場版は充分その期待に応えることを約束する。ちなみに、私にとっては期待「以上」だった。だってさぁ、正直地雷だと思うじゃない?ヤッターマン実写化なんてさ。ところが、あの馬鹿馬鹿しく時に下品でアッケラカンとした笑いが、そこに完璧に再現されていたのだ。櫻井翔福田沙紀はあの勝利のポーズ「ヤッター!ヤッター!ヤッターマーン!アハハハハハ」をきちんととるし、フカキョン生瀬勝久*4そしてケンドーコバヤシは「天才ドロンボー」を歌って踊るし、山寺宏一はリメイクアニメ版同様、富山敬クリソツの「説明しよう!」を聞かせるのだ。
他に何かいる?俺はいらないなぁ。久しぶりに劇場で声を出して爆笑してしまった。最低もう1回は劇場に足を運ぶとしよう。

*1:あれでも好意的に書いてたんですよw

*2:ヤッターマン1号

*3:ガンちゃん役櫻井翔はジャニーズの嵐の一員らしいよ。全然知りませんでした^^;

*4:生瀬のボッヤッキーの再現度は神レベル