「劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜」

TV版は1話のみ鑑賞済みだが、以降は未見。私のマクロス歴は、1作目TV版は序盤だけは見た記憶が。他に観たのは劇場版「愛おぼえていますか」とOVA「マクロスプラス」。TVシリーズ「マクロス7」はそれなりに、といった感じ。
F自体は未見だったが、ニコ動なんかで曲には親しんでいたし、ランカとショリルのダブルヒロインという設定自体は知っていた・・・というレベルの前知識で鑑賞。
これって、シェリルがヒロイン、という認識でOK?
と、いうのも、ボーイ・ミーツ・ガールというう点で、アルトとシェリルの関係性が主に描かれていたと感じたのでね。TV版1話に大胆にシェリルを絡ませた構成といい、その際に描かれる彼女のキャラクターといい、その後の彼女を中心に起こる疑惑といい、そして、なにより主人公達をクライマックスの戦場へ誘うスポンサー(笑)という役割といい、どう考えても彼女がヒロイン。
一方ランカはというと、元々アルトと知り合いという扱いで、かといって幼馴染的な距離でもなく、冒頭の飛行シーンでの役割などアルトとの距離の近さを感じさせるものの、そこからは何故かアルトとの絡みも乏しく、作劇的には「敵を呼び寄せるための装置」と化しちゃってる。
クライマックスのシェリルとのデュオも、「アイモ」という共通項はあるものの、シェリルとランカの関係性がシェリルとアルトのそれほどは描かれておらず、ちょっと唐突感を拭えなかった。
ランカは設定的な部分を背負わされてワリ喰ってる印象があるな。その設定が明かされる完結編では、逆にフィーチャーされるのだろうけど。
それにしても、一番問題なのは、「ランカが敵を呼び寄せる」「ランカとシェリルの歌に敵を困らせる(?)効果がある」ということを観客は(なんとなく)わかってはいても、劇中の登場人物、特にパイロット連中が了解しているようには描かれていない、という点。
普通に考えれば「戦場のド真ん中で歌う二人を劇中トップクラスのバルキリー数機が守る」という構図は、いやわかっちゃいるんだけど、お前らの認識じゃ非難優先なんじゃね?という違和感が・・・
まー、このシリーズの敵ってのは、何かと「歌」の影響を受けやすい奴らしか出てこないというのもあり、「歌姫はとりあえず戦場で歌わせとけ」的な共通認識がこの世界の人間全体に*1出来上がっているのかもしれないけどね。「それがマクロスなの!」的な。でもそれじゃ、初めて観る人なんかにはえらく不親切な・・・って、この映画、マクロスF未経験で観に来たのなんて、俺くらいなもんですか・・・?
ま、ともかく、結構楽しめてしまった。なんだかんだで、懐かしのマクロス。そこかしこに懐かしい要素がやっぱりあってね。やー、「マクロスプラス」で悪魔の様な強さを誇ったゴーストが、冒頭アッサリ全滅したのには泣いたなぁ。
あと、本作のマクロス型戦闘艦であるマクロス・クォーターがえらく格好良かった。もっとじっくり観たかったな。本作のメカはのきなみ動きが早いわCGだわで、えらく視認し辛かったのが残念。じっくりディティール見せて欲しかったなぁ。
ダイダロス・アッタクがまた見れたのも嬉しかった!てかあれって1作目じゃ苦肉の策的な戦法だったんじゃなかったっけ?ちゃんとした攻撃手段として確立されてるのには吹いたなぁw
あと敵が平成ガメラのレギオンみたいでカッコイイよね。最初の進攻シーンだと、まるで怪獣映画みたいな感じで素敵。
クァドラン・ローっぽい機体が観れたのも嬉しかった!クァドラン・ローとヌージャデル・ガー、バルキリーより好きなんだよねぇ、俺。
なんか、とりとめがなくなってきたな・・・まぁ、「映画」としてみれば正直アレだし、エヴァ破ほどのパンチもないけれど、「なんか機会があればTV版チラっと観てもいいかなぁ」なんて思わせてくれる効果はあったかな。
それにしても一番吃驚したのは、なんと満席!30分前に劇場に着いたのに、その時点で残りわずかだったから危なかった。しかも結構女性率が高かったんだよね。女の子同士で観に来てるのもチラホラ。結構支持層の広いアニメだったんだなぁ。

*1:そして受け手側にも