「トワイライト」(上)
映画版「トワイライト〜初恋〜」*1を観る前に、実は気まぐれに購入済みだった原作文庫版。映画がいろいろな意味で楽しめた(笑)ので、ちょっと読んでみたのですが、いやー、アチラのハーレクイン寄りコバルト文庫*2であるところの本作、なかなか楽しめています。
まず、映画では「主演がロバート・パティンソンだから」という以外マトモに描かれていなかったベラがエドワードに惚れる過程がじっくり描かれて・・・というか、まぁぶっちゃけ一目惚れなんですが(笑)、全編ベラ視点の1人称で語られるので、彼女の心の動きには実に納得できるものがあります。
そして、ベラとエドワードのやりとりが映画版では大幅にカットされていたことに吃驚。なにしろ、上巻丸々332Pかけて、ようやっと映画1作目の真ん中あたりですからね。そのページ数をかけてじっくり描かれるのが、惹かれあう2人のストレートにはゆかない会話と微妙な*3齟齬、その原因であるエドワードの「欲求」。
とにかく、エドワードの吸血鬼としての「欲求」と「葛藤」、上巻ではハッキリそうと語られないものの、彼の取る態度から「やべぇ、気を抜いたら衝動的にガブっといっちゃいそう」という切実な内面が如実に察せられて、結構「吸血鬼小説」してるんです。これは嬉しい誤算。
それにしても、読めば読むほど、ロバート・パティンソンの役不足感が否めない。いや、映画「トワイライト〜初恋〜」の主役としては十分なんですが、小説「トワイライト」のエドワードは、イケメンであると同時に、もっと危険な印象が強いんですよね。もうちょい狡猾で、肉食獣的なイメージ。ロバート・パティンソンは、ハリポタでの役柄でもそうであるとおり、優等生的なイケメンなんですよね。もうちょっとギラギラとした殺気を放出するような、そんなイケメンに演じて欲しいなぁ・・・ってそんな若手イケメン俳優っているんですかねw
あと、やっぱアチラのハーレクイン寄りコバルト文庫だけあり、女の子のヒロイン願望を実に上手くくすぐる設定ですよ、ベラは。映画では、転校生ということで最初は珍しがられるものの立ち位置的には終始「冴えないおにゃのこ」ですが、原作では「確かに都会では冴えないおにゃのこ扱いされていたけれど田舎に越してきたらモテモテ」なのです。映画でもダンパに誘われるシーンはありましたが、原作では男性登場人物ほぼ全員に誘われますからねw*4
その上、ミステリアスな超イケメン*5のハートをゲットですから、なかなか上手く出来ています。このモテ期設定も、出来れば映画で観たかったなぁ。
そんなわけで、思いのほか楽しめています、「トワイライト」。こりゃ下巻もいいペースで読めそうな?
- 作者: ステファニーメイヤー,ゴツボ×リュウジ,小原亜美
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2008/04/19
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