「2012」(原題:2012)


久しぶりにハズレを引いてしまった・・・冗長な導入部、群像劇なのに魅力のないキャラ*1、あまりにアトラクション的なディザスター・シーン、カタルシスの得難いコンセプト・・・
まぁ、エメリッヒ作品なのでキャラの書き込みとか期待はしていませんでしたよ。災害の規模があまりにも大きく、コンセプトが「箱舟」なので、当然金持ち・権力者が選民され一般市民は生存の望みが全くない、となるのも予想できた話。そういう大前提の上で人間性とか助け合う精神とか持ち出してクライマックスを盛り上げようとするのも想定内。
私が劇場に足を運んだ理由は、「きっとディザスター・シーンは劇場で観とかなきゃいかん種類のモノだろうな」だったわけですが・・・なんていうかなー、魂こもってないというかね?「ホラホラ!このシーンのココ見てよ!頑張ったから!」的な製作側の声がまったく聞こえてこないんですよね・・・確かに凄いことが起こっているんだけど、凄く平坦に見せられているというか・・・緊迫感はぶっちゃけゼロ。
同じシークエンスを繰り返すのも×だよなぁ。
あと、最初に了解済みとは書いたケド、序盤の単調さは異常。一緒に見た髭がうっかり寝てしまったレベル。そして、最後の人間性云々もなぁ・・・むしろ全員が多くを見捨てるという十字架を背負う決断を下す、そんな展開の方が見たかった。ハリウッド大作的なカタルシスは皆無になりますが、結局カタルシスがないんだから、そっちの方が少なくとも映画に「重み」は加わったよね。
個人的には、同じ2012年ネタではトンデモ側に舵を切ったニコラス刑事の「ノウイング」*2の方が、遥かに楽しめました。ちょっとこれに1800円は払いすぎたな。
あと、ウッディ・ハレルソンの退場早すぎ!彼が残された人類の盟主にならんでどうする!プンスコ

*1:気に入ったのは元ボクサー富豪と老ジャズメンくらい

*2:http://d.hatena.ne.jp/rushiha666/20090720/1248067577