「DISTRICT9」(邦題:第9地区)

宇宙人の宇宙船が立ち往生して、地球のある地区に移住する、と聞くと「エイリアン・ネイション」とか思い出しちゃうのが私らの世代なのだけど、遥かにビター。明確なメッセージ性があり、しかし、キッチリとエンターテインメントしているという稀有な作品。
あと、形式的にはモキュメンタリーなのだけど、ところどころ、特に後半はモキュメンタリーの手法を逸脱して普通の「アクション映画」になるのだけど、不思議なことに、その逸脱が気にならなかったことに、鑑賞後に気付いて吃驚。
普通なら、手法が統一されないことを鬼の首を取ったかのように上げ連ねて文句をつけるところなのに・・・文句出てこないよ!てかその「逸脱」に気付かずに普通に手に汗握って画面に釘付けになってた俺・・・やられた。コレがこの監督の手腕だとしたら、ちょっと凄いんじゃない・・・?ゴクリ
あとね、色々な部分で「アバター」と被る内容に吃驚。パクリとかそういうのではなく*1、テーマ、SF的なネタやガジェット、それぞれが普遍的なモノなんだよね。だからこそ、「アバター」後に是非観て欲しい1本。
(画像の下からは若干ネタバレあるので、出来れば未見の方はスルーで!)

異種族間コミュニケーションとか、保護とみせかけた弾圧とか、パワードスーツとか、そして、異種族側に「肉体的」にも立つ主人公・・・本当に「アバター」と被る。
その中での決定的な相違点が、その異種族が綺麗でしなやかなナヴィではなく汚いエビで、さらに主人公の自由意志じゃない、という点。
身寄りのないジェイクには胸躍る体験だったけど、既婚者の役人ヴィカムさんにとっては理不尽な悲劇でしかないという。
でもその「理不尽さ」が彼をエビ側に立たせる決定的な理由になっているあたり、「アバター」よりリアルかつ辛口になっていると思う。
それは、英雄として自らパンドラに残ったジェイクのラストと、本作のラストを見比べてみればわかると思う。あれって・・・彼、なんだ、よね?・・・あー、涙腺滲むわ・・・
それでいて「男の子」の心をくすぐる要素もしっかりあるのだから、隙がない。ないのはラブ・シーンくらいでw
こうも贅沢な作品が「アバター」の8分の1の予算で撮られてるんだから吃驚。この監督が撮るはずだった映画版「ヘイロー」・・・観たかったー><
  
これは絶対劇場で再見する。*2細かな台詞を是非知りたいから。あ、その際は原音に吹替えを被せる「NHK特集」みたいな吹替え形式を希望。その方が慣れ親しんだ海外製ドキュメンタリーって感じがするからw
  
あと、最近のキャットフードはそう悲観した味じゃないよ!そこらへんの缶詰より全然旨いの。もう吃驚。*3

*1:実際、本国での公開ははアバターよりこっちが先

*2:4月公開予定

*3:いや、味を悲観したわけじゃないのはわかってるけど、念のため^^;