「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
- 原作未読
- 残念なのは「観たこともないビジュアル」で魅せてくれなかったこと。ほぼ全編が現代のアメリカが舞台なので、未知のロケーションの楽しみもなく*1、クリーチャーもどっかで見たことあるモノばかり*2
- そのクリーチャー=特撮も、既視感あるばかりに、引き合いに出される「ハリポタ」等に比べて明らかに予算も少なさが見て取れ、しかも少予算を逆手に取るアイデアも見られず、結果動きのないスケールの小さなものに・・・*3
- おそらく原作から色々省略されているのだと思われるけど、その取捨選択がマズかったせいか、デミゴッドが暮らすハーフ訓練所の生活感のなさ等、「ハリポタ」のホグワーツ魔法学校のような、物語に説得力を持たせるバックボーンの描写が圧倒的に足りない
- 真犯人の動機なんかもとってつけたようで、ラストの盛り上がりにも欠け、おまけにタイムリミット・サスペンスとしても上手く機能していない。あと肝心の「稲妻」が天界最強の兵器に見えないのもなぁ・・・
- 冒頭は結構気に入っているのだけどね。特に、母親が神々の目を避けるために、あえてロクデナシと再婚していて、一見「何故かロクデナシDV夫と別れようとしない妻」という現代風のナマっぽい設定に見えるとか、「案外ハリポタより現実路線か?」と冒頭思わせてくれただけに、以降のロープレの典型的な毒にも薬にもならない展開は残念だった
- しかし、劇場の大半を占めた、おそらくギリシャ神話などにも初めて触れるであろうお子様たちの感想はすこぶる良く、「僕パーシーになるっ」「僕ゼウスがいいな!」*4等、実に盛り上がっていた。ギャグシーンも子供たちの笑はキッチリ取れていて、つまり、親子連れを対象とした企画としては大成功なのかもしれない。実際劇場は満席だったしね
- それにしても、キャストは豪華だったなぁ!ショーン・ビーンやピアース・ブロスナン、ユマ・サーマンやロザリオ・ドーソンの豪勢な使い方は*5、ちょっと気持ちよかったw
- ところで、スタッフロールの後に小粋なオチがあるので、すぐ席を立たないことをオススメします。あそこにパーシーの「黒さ」が滲んでいて、ちょっと行く末が楽しみになりましたw
- そういや「水属性」の主人公って珍しいよね。*6あと、そのせいか妙に脱ぎ率が高いw演じるローガン・ラーマンは「バタフライ・エフェクト」でアシュトン・カッチャーの少年期を演じていた美少年にカテゴライズされる役者らしく、つまり、引率のお母さんへも配慮されている、実は隙のない作品なのかもしれない!