「幸せのレシピ」短評


うーん。完全主義で余裕のない女料理長ケイト、母親を亡くして心を開かない姪のゾーイ、ケイトが敵愾心を燃やす陽気な新任シェフのニック。
ゾーイがニックに心を開くのはわかるんだけど、ケイトとゾーイ、ゾーイとニックの関係の進展は、ちょっと唐突感が拭えなかったなぁ。
後半の「心を開いた(仲良くなった)と思ったら些細なことで〜」という展開にも、それ以前の「心を開く(仲良くなる)」過程に説得力がないので、当然すんなりついてゆけず・・・
キャスティングは文句ないんですけどね。カタブツな女料理長にキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。陽気なシェフにアーロン・エッカート。心を閉ざした少女に、アビゲイル・ブレスリン。もう完璧でしょ?
脚本と、そして演出なんだろうなぁ。特に、せっかくの仲を深める過程の芝居に、がっつりBGMを被せてしまうのはいかがなものか。そこをしっかり、役者の声を含めて観たいのに。
そんなわけで、素材がイイのに調理がイマイチ、という感じでした。
・・・そういや、劇中の料理が全然美味しそうに見えないのも、いかんかったですね・・・
まぁ、突然湧き上がったキャサリン・ゼタ=ジョーンズ欲はそこそこ満たされたので、よいのですが。ゴージャスさをやたら強調した以前の彼女は苦手だったのですが、本作の「ちょっと疲れた感じ」、イイなー。
オリジナル版のドイツ映画「マーサに幸せのレシピ」はどんな感じなんだろう?今度観てみようかなぁ。