「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」短評

TVシリーズ、映画版1作目、共に未見なのに(TVでやってたのにたまたまチャンネル合っちゃったので)鑑賞。
うん、前半の緩いコメディ部分は結構楽しめました。シリーズ未見なのにキャラの役割分担も即把握できて、TV版で構築されたものがいかに上手かったか容易に想像できます。さぞや、面白かったのでしょうね。
その分、中盤以降の酷さが際立つ際立つ。
今回は本庁の女管理官が悪役なのですが、悪役なので横暴さの誇張は必要とは思うけど、リアリティをなくすどころか、笑いどころ突っ込みどころの域すら越えてしまうのは・・・本来そのキャラへ向かうはずの視聴者の「怒り」が、自然と製作陣に向かってしまいます。
その「怒り」は主人公達への感情移入をもたらし、後半のカタルシスに繋ぐ大事なものなんですけどねー。おかげで「共感」も「カタルシス」もサッパリで・・・
だから、終盤女管理官が失脚して、ギバちゃん(現場に理解のある管理官)が指揮を継ぐ場面も、全然盛り上がらないという。
犯行グループの方も、動機は説明されているものの彼らをそこに駆り立てる「描写」が皆無なので、そっち方面のドラマ的盛り上がりもナシ。
後半は某キャラが重傷を負うシーンやら織田裕二が意味もなく走るシーンとか妙にカットが長かったりして冗長さも凄まじく、「無理に大事件にしないで、いつもどおりやってりゃいいのに」なんて思ったりしました。
いや、その「いつもどおり」ってのは前半の雰囲気から勝手に察しただけなんですけどね。実は後半の展開もいつもどおりだったら、本当に吃驚なんですが。
だって、本作は『邦画の実写映画としての興行収入は首位を記録している』んですからね!
もしTVシリーズや映画版前作もこんな感じで、その上で本作が制作されたのだとしたら、ちょっと本気で色々絶望したくなります。
ただ、本作で収穫がなかったわけじゃなくて、やはり基本となるキャラ造型は上手いとしか言いようがなく、今、TV版が再放送でもされたら、きっと観ちゃうでしょうね。
そしてもう1つが、例の女管理官役を演じた真矢みきさん。彼女の「声」がなんか良かったんですよ。なんとも色っぽくて・・・いや、それだけなんですけどね^^;
Wikiで調べてみたら、スピンオフの「容疑者 室井慎次」にも同じ女管理官役で出ているみたいです。なんか近々地上波でも放映するみたいなので、ちょっと観てみようかな〜♪
 
・・・ハッ!!そうか、こうやってアオシマ君やらギバちゃんやらの「その後」が観たくて、みんな劇場に脚を運んじゃうわけか!なるほどな〜。