「エヴァンゲリヲン新劇場版:破」

「エヴァンゲリヲン新劇場版:序」感想(ねこめがねSECOND)
「作画は綺麗になったけど、総集編特有の駆け足感はあるし、要はそれだけか」
というのが↑のリンクの旧々ブログでの前作感想。そんなわけで、あまり期待せず義務感から「破」の鑑賞に臨んだのだが・・・
なにこれ超面白いんですけど!?Σ(・ω・ノ)ノ!
まぁ、TV版でもここまではエンターテインメントとして成立していた部分ではある。だから普通の総集編でもそこそこ面白くなるとは思っていたが、まさかこんな手を使ってくるとは・・・
とりあえずネタバレを考慮して書いてみると、

  • 一部のキャラクターの人物設定がかなり変更されている
  • そのため、物語に駆け足感がない*1
  • 全体的に「前向き」である

エヴァンゲリオンを全肯定出来ないまでも、一時期楽しんだ経験を持つならば、おそらく、「破」は楽しめると思われます。一見をオススメしますよ。
では、「続きを読む」でネタバレ気味に詳細をちょろんと。パーマリンクや携帯からだと最初からオープンされてるのでお気をつけあそばせ?
 
 
 
 
 
(一応改行を挟んでみる)
とにかくキャラが前向きなのには驚いた。
なんとあのゲンドウですら前向きなのだ。いや、劇的に前向きな「良いパパ」ってほどではないよ?
しかし、レイがシンジとゲンドウの仲を取り持つために企画した「レイちゃんお手作り料理によるお食事会」への参加を、まるで最近の丸くなった海原雄山のように「う・・・ぐむ」と同意するなんてTV版じゃありあえな。
ありえないといえば、そんなパーティを企画するレイもだけどな。
アスカはその役割を大きく変えたわけだけど、病的なマザーコンプレックスを廃されたおかげで、実にサバサバした、「オトナ」な少女だ。一足先に社会*2に出ていた彼女が、シンジやレイとの触れ合いで歳相応の楽しみ方を覚えていく過程なんか実に清々しい。
アスカにはやはり悲劇が降りかかるのだが、それすら、彼女とシンジの間に培われた絆を表すものだし。*3
そして、驚くべきはその終盤の展開だ。
ネルフ本部に超強い「使徒」*4が進攻し、シンジがエヴァの乗ることを再び決断した、その後。
エヴァが「暴走」しない。
絵的にはTV版と同じ展開のようだが、正確には、シンジの「綾波を守る」意志によってエヴァが「覚醒」する。
レイをあそこでN2爆弾抱えて自爆→次回からはクローン・レイで人間関係リセット・・・とはならない。
・・・庵野秀明どうしちゃったの?
やっぱ結婚して子供出来ると、オトナになるの?
ともあれ、様々な負の要素がスポイルされ、実に健全なアニメ映画になってしまっているのだ。これが驚かずにいられようか?
勿論、続編でズドンと突き落とされる可能性がないではない。けれども。
もしかしたら、TV版エヴァ中盤で誰もが思った「これは凄いエンタテインメント作品として結実するのではないか?」という夢想を、もう一度抱かせるパワーが、「破」にはあったと思う。
つうか、シンジもレイもアスカも他の連中も幸せになって欲しいなぁ。と、思ってしまった俺の負け。
特に、今までは毛嫌いしていた綾波レイ。彼女が実に良い。というのも、実に完璧なほどヒロインの位置に配されているからで、その構成も上手いと思った。
どちらかというとアスカ贔屓だった俺だが、今回はヒロインの座を(多分)降ろされたとはいえ、旧版に比べると実に良いキャラになっているから許せるのだよね。
つうわけで、次回の「Q」が楽しみだ。2年以上待たされないことを祈ってます。つうかもう1回くらい観にいこうぜ俺。

*1:必要最低限の説明を前作で終えているという続編の利点を考慮しても凄い

*2:=ネルフ

*3:あの挿入歌はやりすぎのような気もするがwあ、そうか「ともだち」か。今回のヒロインはレイってことね

*4:エヴァにおける敵怪獣(?)の呼称。こいつらの固体名を、何故か覚えられない俺