「スペル」(原題:DRAG ME TO HELL)


風の噂には聞いていたのだが、ホントだった。確かに、これはある意味「死霊のはらわた」のリメイクだなぁ!
昔懐かしのサム・ライミ映画がそこにあったという感じで、なんというか、「最近はプロデューサー業やら監督作もビッグバジェットやらですっかりメジャーな人だけど、根はデビュー当時と全然変わっていなかったのね!!」と、凄く嬉しくなってくる。
それにしてもおっかなかったなぁ。いや、オカルト映画としてのゾっとする怖さではなく、びっくらかし映画としておっかなかったのです。いえ、私、実は突然「バン!」とくるショック演出にえらく弱くてデスネ、本作は音響効果もあいまって*1、もうビクビクと身を捩る私。*2でも、そのショック演出の直後に爆笑しているという(笑)
こういう感覚、なんかとても久しぶりな感じが。笑いの要素を取り入れたホラー映画って多いけどアトラクション的にびっくらかすパワーが相対的に下がってしまうものが多い中、たっぷりびっくらかしてくれたライミは、やっぱ凄いんだなぁ、と。
単にショックシーンを連発するだけの映画でなく、因果応報の物語としてちゃんと構築されているのも良いよね。
呪う側、呪われる側双方に、共感し同情する側面もあれば、嫌悪感を催す部分もあり、単純な善悪の対立になってないところも意外と深い。
それでいて、鬱々とさせる凹み要素が少なく、アトラクション映画、というか、娯楽映画としてキッチリ仕上がっている。
趣味に走りつつ堅実に作品をコントロール出来るライミ。今更ながら才能のある人だったんだなぁ、と痛感です。
 
そうそう、私当初はこの映画は観ないつもりだったんですよ。理由は「ブルース・キャンベル不参加」「ゴア描写皆無」と聞いたので。ただ、海外のみならず日本でも異様に評価が高いので、ちょっと行ってみっかと鑑賞。
そしたら吃驚!評判どおりの面白さは勿論、懸念していた部分でも満足出来ちゃったんですから!
作品自体が「死霊のはらわた」の変奏曲であるように、主演のアリソン・ローマンはまるで女アッシュさながらの、ブルキャンのパロディ的大活躍!
ゴア描写についても、血ではないものが盛大にスプラッターするので・・・というか、ある意味血よりグロくないかな、アレwwww
そんなわけで、なんだか「死霊のはらわた」を猛烈に再見したくなる、そんな映画でした。必見ですよ、コレ?

*1:バイオハザード3」のような「怖いというより鼓膜が痛い」のじゃないのでご安心を

*2:いや、ビビリな私だけの話で、皆さんにはたいしたことないかもですけどね?