「ディレクター氏による『ファントムクラッシュ』と『S.L.A.I』をダラダラ語る会~ファントムクラッシュ編」(12月30日のおきにいり)
【いきなり開催】フリだけしていました『ファントムクラッシュ』と『S.L.A.I.』をダラダラ語る会。明日(2013年12月30日)の23時頃よりTwitterでダラダラ行います。ハッシュタグは長くなりますが、視認性重視な #PhantomCrash でいきます!
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 29
『ファントムクラッシュ』と『S.L.A.I.』をダラダラ語る会。10分遅れですがダラダラと始めます。ハッシュタグは #PhantomCrash ! 質問は http://t.co/sLNFoFEKHA あたりで受け付けています。
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
適当にask.fmに寄せられた質問に答えながら(質問には終了後にも回答します)、なんか話していけばいいかなーと思っています。まあ、話を眺めていて興味があったら口を挟んでください。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
まず最初に続編の可能性あたりからいきましょうか。確認したわけではありませんが、おそらく『ファントムクラッシュ』の版権は元気株式会社にあります。『S.L.A.I.』の版権はコナミにあります。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
で、この状況でどっちが続編を出す可能性が高いかと言えば、やはり元気株式会社かと思います。つまり出るとすれば『ファントムクラッシュ』の続編ですね。とは言え、家庭用ゲームの開発に関しては元気も元気がな……おっと中野坂上から刺客が……です。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
スタッフとしても『S.L.A.I.』のときに元気株式会社で中核を担っていた人材は(僕はともかく)まだ残っていますので、元気株式会社から続編が出る方が間違いはないかと思います(つまりコナミから出る場合は別スタッフの作品になるはずです) #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
そうは言っても、現在の元気株式会社の中核はいわゆる元ロボットゲーム制作チームではないので、家庭用ゲームでのオリジナルタイトルを元気株式会社が再開して、かつネタに困ったら10番目に顔を出すかどうかな位置ではないでしょうか。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
次の話題です(どんどん突っ込んでくださいね)。『ファントムクラッシュ』から『S.L.A.I.』になるときにコナミから何か圧力はありましたか?的な話がたまに出ますが、そんなことは全くありません。むしろプロデューサーの方にはとてもお世話になりました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
むしろ自由にやらせ過ぎてもらった結果、『S.L.A.I.』が難易度を含め、だいぶエクストリームな感じになってしまったのは、ひとえに僕の責任です。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
コナミから発売になった経緯については、単純に「元気株式会社がコナミグループになった(出資を受けた)から」です。その当時、元気が販売した主力タイトルで、かつ元気がコナミ名義で出しても構わないタイトルだったのでしょう。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
もちろん『ファントムクラッシュ』がセールス的に成功とは言えなかった中で、なんとか続編をと言う思いから、当時の元気のプロデューサーや経営陣が動いてくれたとも言えます。決してネガティブな理由だけではないです。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
『S.L.A.I.』の難易度について。本編(オフライン)の開発終了からオンラインの調整に1ヶ月強の時間を費やしました。この間、ひたすらにやりこんで調整をした結果、難易度が上がったとも言えます。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
『S.L.A.I.』の難易度について。突っ込みもありましたが、関係者全員が上手くなっていく中だったので大きな声になることもなく、そのままリリースに至ったと記憶しています(もちろん、それを良しとしたのは僕です)。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
話を『ファントムクラッシュ』に戻します。そもそも僕が元気株式会社に入社したとき、実は別のタイトル、別の世界観で、のちの『ファントムクラッシュ』は開発が進んでいました。この話をした記憶はないので、おそらくは初出かと思います。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
当時のタイトルは『Tokyo City Diver』。世界観はアニメの『フリクリ』系を狙った感じで、戦闘部分については光学迷彩のギミックだけがある状態でした。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
僕としては基礎部分ができ始めているタイトルに合流して、ここから作るかーと言った感じだったのですが、そこでメインのゲームプランナーが(どんな理由があったのかはわかりませんが)退職されてしまいます。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
当時の企画チームには、役員から以下の課題が与えられていました。(1)ロボットらしい重厚な動き、戦いをさせたい (2)ビルなどを破壊して、そのガレキでダメージを与えたい (3)新宿区内の他のステージで戦っている情景も見えるようにして欲しい #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
正直、Xboxの性能をでも(2)と(3)の課題を達成することは困難でした。その結果、(2)について破壊できるオブジェクトを増やす形で、(3)については、そもそも遠景で見えそうな距離にステージを設定しないことでやり過ごしました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
残る課題は(1)です。こちらについては光学迷彩のシステムと合わせ、初期はいわゆる潜水艦のソナーで索敵し合う…後のゲームで言えば光学迷彩のある鉄騎のようなイメージでした。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
で、ここからは完全に趣味嗜好の世界ですが、当時の僕にはどうやっても重い挙動のロボットゲームに魅力を感じることはできませんでした(フワフワと軽い方向性にも魅力は感じていませんでした)。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
その結果、役員に見せる用のバージョンでは直前に動作を遅くするなどの大人の技術を駆使しつつ、徐々に速い方向へ速い方向へとゲームは変化していきました。そこには「フルバーストがやりたい」と言う単純な願望も影響していたと思います。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
つまり『ファントムクラッシュ』のロボットゲーム部分については、僕が関わる前に描かれていたプランの180度反対に進んだのだと思います。なお、撃ちまくる、避けまくる、一撃で決着がつくの思考にはレシプロ戦闘機の空戦のイメージが投影されています。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ここからは『ファントムクラッシュ』のストーリーについてです。前述したようにメインプランナーがいきなり退職したこと、キャラクターデザインはその方の担当だったことから、全て制作をし直すことになりました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ちなみに正面からだと1倍、横からだと2倍、背後を取ると3倍と言ういわゆる「ケツ取ったもの勝ち」なダメージ計算もレシプロ戦闘機の空戦をイメージしていただければ、なんとなくわかっていただけるのではないかと思います。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
話を『ファントムクラッシュ』のストーリーに戻します。制作をし直すことになった時点で「ロボットゲームであること」「舞台は制作を始めている新宿を中心とした現実の都市であること」は制約条件として決まっていました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
そんな中で打合せを進めるうちに、メカニックデザイナー兼、開発の中心人物だった者と、僕の好きなSF作品が(本当に偶然)一致していました。このことが『ファントムクラッシュ』やのちの『S.L.A.I.』の世界観に強く影響していることは言うまでもありません。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
作品をご存じの方はおわかりになると思いますが、筆頭に挙がったのはギブスンやスターリング、エリスン、ティプトリーらにとって書かれた一連のサイバーパンク小説類です。ですが、そのわりには登場人物たちは特に機械化されたり、ネットに接続するわけではありません。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
もちろんサイバーパンク小説が本作に与えた影響はメチャクチャ大きいのですが、実は最初に投入されたSF的アイデアはサイバーパンク要素ではなく、ロボットゲームにはよく見られる火器管制装置を機械ではなく生体として捉えた動物型積層脳素子だったのです。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ちなみに動物型積層脳素子のアイデアが生まれるきっかけとなったのはコード・ウェイナー・スミスの『鼠と竜のゲーム』。ここから意識を持つ機械、意識を持つ機械と利用者の掛け合い、生体系機械は老いるのか、老いるとすればどうしたいのかと発想が拡散していきました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
つまり『ファントムクラッシュ』のストーリーでは、最初期から「老いたる生命体はなにを残すのか」と言う、文章にするとわりと重めなテーマを定めていました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
その上で、僕の場合はラストシーンからストーリーを構成する癖があります。ようするに最後にどんな絵を持ってくるかを考えて作るわけです。『ファントムクラッシュ』の場合、プレイヤーが最後に勝利して終わることは絶対でした(そうでないとゲームになりませんしね)。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
さらに、この頃には世界の設定として「もう壊れようがないぐらいに崩壊した都市(それなら壊したいと役員も言うまい)」→「どうして崩壊したんだ?」→「温暖化が押し進んだら住めなくなるんじゃね?」→「どうして温暖化が加速したんだ?」……と発想が進み、 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
「温暖化を抑制しようとして失敗した」→「東京は灼熱の都市になった」→「熱風にさらされる都市は放置された」→「放置された都市が競技の舞台となった」と決まって、いわゆる旧東京の設定ができあがっていました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
抜けるような青空を見せる灼熱の東京。ある意味、最後には必ず勝利するプレイヤー。その背後にいる敗者。老いたる生命体。当時のメモ書きには「勝者の上に(この時代では絶対に降らない)雪のように紙吹雪が舞い落ちる」とあります。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ラストシーンが決まると全てが動き始めます。主人公と対峙するヒロインの名前はユキ(雪)。老いたる生命体がなにかを残そうとする人物です。対峙する相手を女性にしたのは老いたる生命体と母性の対比、ボスはマッチョ系が当たり前の流れへの抵抗があったのだと思います。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ここまで考えた段階で、重めのテーマを扱うにあたり、主人公や周囲の登場人物は若年齢が良いと考えました。老いとの対比を強める意味もあります。また重めのテーマに(何かを悟っている)大人が立ち向かうよりも生っぽさが出ると考えたからです。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
その結果、主人公や周囲の登場人物は13歳〜15歳に設定しました。これについては、ちょっとした反対意見もありましたが(のちに天下に「殺ス」と言わせるまでは)問題になることはなかったので、そのまま押し通させていただきました。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
この話題の最後として、僕が良く話す「ユキとの最終戦に絶対に合う音楽」の歌詞を貼っておきます。曲は The Blankey Jet Cityの『15歳』です。 http://t.co/7VbrEPuSYA #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
さて約3時間話したところで、戦闘の基本ルールとメインのストーリーの触りしか話せていないわけです。まあ、次回は当然あるものとして(笑) 本日は2:00amを目安に一度終わりたいと思います。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ひとまず『S.L.A.I.』編は後日となってしまいますが、ここまでの流れでゲームやストーリーとしての根底は、同じ人物が(僕ですが)同じ思想の上に作った2つの枝みたいな感覚を抱いていただければと思います。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ここからはメンションできた質問にさっくり答えていきます。まず主人公のビジュアルは、基本デザイナーさん任せです。ただ「顔が特定できないようにして欲しい」と言った覚えはあります(個性が出てしまうと自分の姿だと思いにくいので)。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
新宿以外のステージ選定について。絶対条件は、各地点から見えない程度に離れていること(笑) 、ついで東京都民でなくても知られている風景があること、その上でステージデザインとして意図的に狭める、高低差を設けるなどが行われています。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
なお、新宿が最初から作られていたこともあり、かなり広めでフラットな地形。渋谷は真逆に狭めで入り組んだ地形、海ほたるは(実際にロケハンに行って)構造物の複数層構造とフラットな地形のバランスで考えています。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
元気株式会社が当時、なぜコナミからの出資を受けたのか。正確な理由は経営陣ではないのでわかりかねますが、たぶん(経営陣が思っていたよりも)儲かっていなかったからじゃないですかねぇ(バッサリ) #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
ヨ式の話題については、10年経ってもセンシティブすぎて話せないですね(苦笑) おそらくは双方の解釈が食い違うので、それこそ会社として政治的になんとかせいよと言う感じであります。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
個人的には宇都宮の女が好きでした。 — 『宇都宮の女』については、どうしても演歌が欲しいと言う僕の無茶なリクエストに急遽、用意いただいたという経緯があります。気に入っていただけて幸いです。やはりロボを転がすなら演歌だぜ。 #... http://t.co/pUJtoVo33M
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
当時の2ちゃんねるの家庭用ゲーム機板に、ァンクラのスレがあり、結構活発なやりとりがあったのは、スタッフさん達はご存知でした... — ご存じも何も僕は現在に至るまでの全過去スレッドのログを持っていますw #PhantomCrash http://t.co/yjzHHlIzSx
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
鉄板さんって、誰がどうやって見つけてきたのですか? — 音楽(特に楽曲)については、とにかく好きな音楽をかけながら戦闘がしたかったので、2名の音楽プロデューサーの方にデモテープを片っ端から聴かせていただきました。最初に鉄板... http://t.co/vx1AJHA0Rg
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
デカールの栗林食堂って元ネタあるんですか? — これは当時、デカールなどのテクスチャ周りを作成していたデザイナーさんが自分の名字を使ったヤツですね。なぜ食堂にしたのかは僕にはわかりませんがw #PhantomCrash http://t.co/mPxSWN5iy1
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
『ファントムクラッシュ』と『S.L.A.I.』をダラダラ語る会。本日は『ファントムクラッシュ』の話題だけになってしまいましたが、ひとまず今夜はこれで終了とします。引き続き質問は http://t.co/sLNFoFEKHA あたりで受け付けています。 #PhantomCrash
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
いきなり、武器質問ですが、SLAIには遊び心満載、一発逆転(H99系)武器が
なくなってますが、K社からダ... — K社からダメ出しはくらっていませんねぇ。遊び心系と一発逆転系がなくなったのは、単純にオンラインで使える(極... http://t.co/c31mN9HX6T
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
(´-`).。oO(誰かがハッシュタグを元にTogetterでまとめてくれるといいなぁ)
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 30
.@USOuta さんの「真冬に再訪、あの暑い夏! ■ ファントムクラッシュ・S.L.A.Iシリーズ座談会 ■ ― ファントムクラッシュ編 ―」をお気に入りにしました。 http://t.co/VKycCxqphm
— flatline1218 (@flatline1218) 2013, 12月 31
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