「イングロリアス・バスターズ」(原題:INGLOURIOUS BASTERDS)


実は久しぶりに長〜い感想を書いたのだが、自主的に没にして短評化。
この映画、クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐のキャラクターは素晴らしく、我らがイーライ・ロス兄貴の活躍は痺れるほどで、くだらない会話劇が徐々にサスペンスを孕むあたりはいかにもタランティーノ作品らしく面白さに満ち、メラニー・ロランとダニエル・ブリューニュの件は*1映画内映画「国家の誇り」込みで実に好ましい。
というわけで、とても楽しめたのだが、終ぞ私はカタルシスというものを感じずじまいだった・・・。
なんで俺カタルシス感じんの?と考えてみたのだけれど、ショシャナはともかく、他の人物の「ナチをブッ殺したい」という理由が本編で描かれていないからだ、と思い至った。
勿論、ナチの行いは現実として理解しているつもりだし、その歴史的事実のみで動機として充分観客のカタルシスに繋げられるんだろうと思う。普通は。
ただ、俺には、ナチの非道な行為が冒頭のショシャナの家族虐殺シーンのみでは*2、どうやら「バスターズはじめショシャナ以外の面々の動機」としては物足りなかったのだと思う。
バスターズとショシャナの作戦がまったくリンクしなかったのも、感情的な部分以外に「単純に困難なミッションを成功に導くカタルシス」すら覚えられず、物足りなさに繋がったように思う。
 
と、上記のような趣旨の内容をぐだぐだと言い訳でデコレートした感想を書いていたわけ。本能的に「これ絶対玄人ウケする」と察せられたんでしょう。実際書き上げてから色々感想を拝読したらまさにその通りで、ひるがえって自分の書いた文章読むと、実にキモチワルイ。感じたこと書けって話だよね。
ただ、そう察せられたということは自分の中で何かが引っかかっている証拠でもあり、そこらへんはDVDで再見した時にでもまた考えてみようかと。単に、鑑賞時の俺のメンタル的な問題だったのかもしれないしね。
ちなもにDVDは購入予定。「国家の誇り」のメイキングが付くらしいので、イーライ兄貴のメイキング映像マニア*3としては買わないわけにはいかないのだ。
 
しかし、メラニー・ロランはなんかお顔が角ばってしまったなぁ。「スマイルコレクター」*4の頃の彼女が好きだったので、ちょっと複雑。いや、別にシャワールームの○○○○シーンがとかそういう話じゃ(以下略

*1:カットが入っているとはいえ

*2:それもどちらかというとランダ大佐のキャラ立てというベクトルが個人的に強い

*3:旧ブログの「ホステル2」感想⇒http://catglasses.exblog.jp/8306290/ 1作目はメイキングの締めがイーライのシャワーシーンでしたw

*4:感想UPしとらんな・・・というか、こんだけ時間経っちゃうと再見せねばなるまいな・・・