「アバター」(原題:AVATAR)

  • まず、なるべく前の方の席で観ることをお奨めする。というのも、この映画は3D効果を「飛び出して吃驚させる」のではなく、「パンドラという星の自然の実在感をまるでそこに居るかのように錯覚させる」ために使っているので、出来れば視界全てがスクリーンで占められる状況が望ましい
  • その3D技術で表現されたパンドラに尽きますね、この映画は。勿論ナヴィや他の生物たち、聖なる樹とエイワの設定含めて
  • 原生生物たちが良かったなー。正直この世界観でモンハンやりたくなりました。つうかこれ観たカプコンが次のモンハンに「空」要素追加するのを望む俺。レウスにまたがりたい!
  • カラフルなビジュアルも素敵なのだが、やはりナヴィや他の原生生物たちの「繋がる」という設定が、真新しいものではないけれども新鮮だった。それがより高度なネットワークの一端であるというのも実にロマンティックだし、SFしてる。この生態系をデザインした造物主、センス良すぎる
  • お話的には実にテンプレどおりというか、多分、誰もが予告編から予想したとおりのストーリーです。オチも含めて
  • だから、パンドラに魅力を感じない人には前半は退屈に感じるかもしれない*1
  • パンドラの描写の注力しているせいか、登場人物たちはテンプレ的で「エイリアン2」のように心に残るドラマや脇役は少ない
  • 敵である大佐の動きも実に「まっすぐ」で裏がなく、だからストーリー的な二転三転なども皆無
  • ただ、「タイタニック」から入った客層には、SFというカテゴリーとしては、これぐらい危なげない定石なストーリーの方が抵抗なく入れるのかもね。特に宮崎アニメとの共通点は、日本の客層には良い意味で作用しそう
  • 個人的に1番の懸案であったのが、予告編から容易に察せられた「1度拒絶された主人公がどうやって再び信頼を勝ち得るのか」だったのだけど、ここでレオノプテリクスを持ってくるとは思わず、思わず快哉を叫びそうになった。実に上手いショートカットな上に説得力がある。ここがクリアされた時点で、俺はこの映画を全肯定できた。単にコトバでなく、ちゃんとした「実績」を見せる主人公も良い
  • ただ、レオノプテリクスを「繋ぐ」過程は正直観たかったですキャメロン監督(笑)DVDやブルーレイ発売の暁には是非、ディレクターズ・カット版を!
  • そうそう、大佐はいかにも実戦叩き上げの軍人という感じで、総じてキャラクターの薄い登場人物の中で、ちょっとこの親父の即応性の高さには感じ入ってしまったなー
  • あと、やっぱサム・ワーシントンはイイ。彼は笑顔が良いよねー。その良さがアバターになっても消えてないところが、実は今回一番特撮的に凄いと思った点。次点はワーシントンの脚ね
  • そんなわけで設定マニアな俺は「The ART of AVATER」も「アバター公式完全ガイド」も買っちゃうんだろうな。だってパンフレットは役者にフーチャーしすぎていてパンドラの生物たちのスチルや設定画がイマイチなんやもん!あとついでに「アバター THE GAME」も買っちゃうよー評判イマイチでもいいんだい
  • 細かい不満はあれど、「俺もバンシーに乗りたいなー」と思わせたキャメロン監督の勝ちです。今年最後の劇場映画で良いモン見せてくれてありがとう!
  • そうそう。何故か「アバター」は偏頭痛的にはとても目に優しかった。3Dメガネのせいで若干暗いのが刺激を和らげたのかな?一緒に観た連中は「やっぱ3D映画は目にキツい」と言っていたけど、何故か俺には普通の映画より楽だったという。不思議だなぁ

*1:それでも劇中でファースト・コンタクトがなされるわけではないので、それがかなり時間の短縮を助けてはいるのだけどね