「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」短評
さて、セルゲイ・ルキヤネンコ原作*1のティムール・ベクマンベトフ監督*2による映画化作品「ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR」感想を書く上での最大の障害は、感想書く前に続編「デイ・ウォッチ」を観ちゃったこと。
いやもう色んな意味で続編の破壊力が凄くて色々上書きされちゃってます。だからと言ってスルーするのも勿体無いので、頑張って思い出しつつ書きます^^;
一言で言うと『ひじょうにわかりにくい』。
人間社会の裏で、「光」と「闇」の勢力が、ある「協定」のもと冷戦状態の微妙な均衡を保っている・・・というのはわかるものの、「え?両方吸血鬼なの?」とか「何すると協定違反なの?え?許可証あればいいの?」とか「え?人間社会にも周知の事実なの?」とか、そこらへん細かいことは置いておいて、ある協定違反ヴァンパイアに「餌」と認識された少年を守るミッションと、ある「超・不幸を呼ぶ女」への対処が同時に描かれるという・・・そこに「光」側である主人公アントンの過去のしがらみやら、長年フクロウの姿刑に処せられていたオネエチャンとか、アントンの隣人は「闇」側だったりとか、うん、やっぱ結構詰め込んでるよね〜。
だから細かいところは思い切って端折って、ビジュアル・イメージで押し切ったという感じ。
ポスターなんかでやたらグラサンのイメージがあって、公開時やたらとロシア版「マトリックス」みたいなアオリを目にしたのはそういう画的な共通項ゆえかと思ったけれど、実は、「ビジュアルの力で理屈や辻褄を押し通す」ところが「マトリックス」的なのかなー、と思ったり。
で、そのビジュアル。これが、妙に生活感のある「小汚さ」があって味がある。「ウォンテッド」のマカヴォイ君の部屋とか思い出していただければ。この「汚さ」はベクマンベトフの持ち味なのかなー。
持ち味と言えば、冒頭ののシーンのスローモーション演出とか、「ウォンテッド」の超感覚のシーンに通じるものが。あと、蠅とか?味が出てますねー。
そしてボコボコにされる主人公もw
ちなみにマトリックス的なアクロバティックな特撮はないです。でも1本筋は通った感じで、「現実世界」になった途端アリガチな画になった「マトリックス」より、トータルで軍配を上げたいです。個人的に。
さて、「ひじょうにわかりにくい」上に「ビジュアルで理屈や辻褄を押し通」したその中身はというと・・・不思議とそんなに首を傾げずに観終えちゃったから、不思議。
そういや「ウォンテッド」もツッコミどころ満載なのに押し切られちゃったよなぁ・・・・*3
まぁ「ウォンテッド」も再見時には押し切るパワーが低下してたので、見直してみたらまた違う感想になるかもしれませんけどね。*4
そんなわけで、『よくわかんないけど妙に満足しちゃった』というのが正直な感想デス。
そして直後に観た続編「デイ・ウォッチ」が、その感想をさらに別の地平へ持っていっちゃったのでした・・・(つづく)
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そして、8分の追加フッテージと同じくらい気になるのが、通常版の監督&原作者のコメンタリ!これ、DC版には未収録っぽいんですよね・・・今回レンタル版で鑑賞したのでどちらの要素も未体験ってのが悔しい*5・・・まぁ、どっちも1000円未満だし、両方ポチっちゃうか・・・ううううむ。*6