「REC/レック2」(原題:REC2)

10月24日のつぶやきより

  • 15:16  「REC2」俺は楽しめた。前作のオチを許容出来ればOKか?まぁアンヘラたん萌えには文句なかろう。たぶんw

アンヘラたんことマニュエラ・ベラスコ再登場は公式に宣伝されてるので、ネタバレにならずに語れるのは、これくらいかな?
もうちょっとだけ詳しく書いてしまうと、前作「REC/レック」の素敵ポイントの一つ、「とてもコンパクトにまとめられたゾンビ映画の定石の数々」を期待してしまうと肩透かしを食らうかもしれません。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」⇒「ゾンビ」、「28日後・・・」⇒「28週後・・・」のような正統スケールアップではないんですね。
また、突入する特殊部隊員のカメラ視点という設定から「エイリアン」⇒「エイリアン2」を期待するのは自然な流れですが、これまたミスリードである、と言っておきましょう。
POV映画としても、その手法を似非ドキュメンタリーという意味あいだけでみてしまうと、イマイチ、ということになってしまうかも。
と、こうして書くと駄目っぽいですが、私は結構楽しめた・・・というか、かなり楽しめた。
では、ネタバレ感想は追記部分で。
パーマリンクからや携帯などでは最初から追記がオープンされてるので要注意!)
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
(念のためこんくらい開ければいいかな)
一緒に観た友人が難色を示したのは、「ゾンビ映画じゃなくなっちゃった点」。前作のストレートなスケールアップを期待すると、やっぱこうなっちゃうかな。
 
前作ラストでゾンビ禍の原因に突如「悪魔憑き」が提示され、ゾンビ映画としてはなかなか異色なアクセントになっていたのですが、本作はあの設定をキチンと生かしています。
で、特殊部隊員に護衛されてアパートメントに入った保健省の博士さん。彼が、最初の犠牲者が出る序盤で自身の新の身分をゲロっちゃうんですよ。
教会から派遣された「神父」である、と。ついでに、住民の凶暴化の原因が「悪魔憑き」からの2次感染であることも暴露。
やがて天井を這う子供や、唱えられた聖書の文句に反応する感染者、ドアの向こうに閉じ込めたオッサン感染者が少女の声で助けを請うなど、ゾンビ映画にはあまり見られない展開が続出。
神父さんは拘束した感染者に十字架突きつけて尋問もしますよ。
「神の名において親玉*1の居場所を吐け!」「おおまえのかーちゃんのアソコだよーんキャハ★」
そう。ゾンビ映画じゃないんです。完全にオカルト映画の路線に舵きりしているんです。
「オカルト映画ってなんか駄目〜」って人は「えー」となりますね、当然。
 
個人的には前作のオカルト・オチに新鮮なものを感じたので、この路線変更はアリ。
後半のJホラー的な「明かりがついていると視覚的にも触覚でも認識できない異界」という設定もなかなか面白かったです。
その異界を暗視装置というテクノロジーで覗くことが出来る*2、という発想は、おそらく日本人には出来ないだろうし。
 
ただ、やはり残念な部分もあって・・・
まず、POVという手法が活きるのが、そのラストの暗視装置部分だけ、という点。
前作は前半の通常の番組撮影部分や途中のインタビュー部分がリアリティを高めるのに一役買っていましたが、今回はそういうのが一切なく*3、おまけに、POVにしてはカメラが大人しく*4、そのせいでPOVとしての臨場感はイマイチ。特殊部隊員のメットに付けた小型カメラの映像のわりには、揺れなさすぎなんだよなぁ・・・
途中で別の侵入者グループにカメラが変わるのも、中だるみに繋がった気がします。
前作では「カメラ担当がプロ」という設定*5が、POV特有の違和感「お前冷静に撮っる場合じゃないだろ?」を多少なりとも薄めてくれていたのですが、民間人にカメラ担当が代わることでそこらへんのリアリティもまた薄れます。
そのくせ、いざ感染者襲撃シーンではカメラが激しすぎ、せっかくの前作登場人物のゾンビ姿がしっかり拝めず、しかもなにやってんのかイマイチ判りにくいという・・・
あと、結構ゾンビさんの数多いはずなんだけど、あんま出てこないんだよねー。ちょっと「ご都合主義」の臭いを感じたりもw
 
それらの、臨場感を削ぐ様々な悪手が、「怖さ」を圧倒的に削いじゃってるのも、ホラーとしてはイマイチな点。
怖がりな私が一回もパンフの陰に逃げ込まなかったのだから、きっとよっぽど怖くないです^^;
 
あと、前述のオカルト要素の継続がハッキリした後にアンヘラたんが再登板すると、もうね。なんというか、オチ読めちゃいますよね、残念ながら^^;
 
と、前フリ同様文句の方が文量的に多くなりましたが、私にとって満足度は高かったです。
まず、「前作の直後設定」に弱いのだよね。それだけでクラっとクるという。
13日の金曜日PART3」とか、だから大好き。*6
そして、前述の「オカルト要素をナイナイしなかった」点。
ちゃんと設定を継続してくれて、こういう姿勢の続編は大好きですし、直接の続編でありながら前作とは違うことやろうとしてる意気込みもグゥ。
前作同様仕込まれた笑いの要素もさりげなく嬉しい。
「撮影すんな!」って怒鳴ってたのが、カメラのブラックアウトが解消したら「ちゃんと撮れ!」と怒鳴ってるとことか、「プラネット・テラー」のリール紛失ネタ思い出したw
あと、あの娘、絶対当てると思った人、手を挙げてーw
そして、なによりアンヘラたん。
最高でしたアンヘラたん。前作ラストへ繋がるラスト・シーン、アンヘラたんファンはもう固唾を呑むことウケアイですw
 
というわけで、アンヘラたん大活躍の異色オカルト映画「REC/レック2」、一見の価値アリだと思います。なんか公開館がやたら少ないっぽいので、お近くでやってたら観てみるのが吉だと思います!
 
 
・・・ところで、本国大ヒットで、続編決定だそうですね。
今回のラストでかなり制約がなくなっちゃうので、逆に心配だったりします。監督両名も降板みたいですしね。まぁ、○○○○役が続投なら観ることにやぶさかではないですが!
 
あ。あと最後にひとつ。
パンフレットは絶対買わないこと!
前作同様、紙くずに等しい内容でした・・・

*1:前作ラストに登場したアレね

*2:つまり前作のパブロ(だっけか?カメラマンね)は、知らずに異界に潜むアレを認識できていたというわけです。

*3:そのせいで一部で不評だった前作前半部のようなグダグダ感はない。個人的にはあのグダグダ感は重要な要素だと思うけどな!

*4:スペイン本国では大ヒット作の続編なので、より幅広い層に訴求すべく「酔い」への配慮が働いた?

*5:御大の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の「空気読めない撮影馬鹿」という理由が、POVの説得力という意味では一番かもしれない。そのかわり感情移入はできないけどな!

*6:ン年後ってさりげなく設定変えちゃうとか嫌いなタイプ