「バイオハザードIV アフターライフ」(3D)短評


『バイオハザード IV アフターライフ』にシエンナ・ギロリー演じるジル・バレンタインが再登場!(シネマトゥデイ)*1
*2
主演のミラ・ジョヴォヴィッチTwitterで明かしたシエンナ再登板。↑のようにシネマトッゥデイでも取上げられ、Wikiにも記載され、シエンナ演じるジル・バレンタインの再登場は確実視されていましたが・・・100%信じることが出来ない自分がいました。
だって、前作「バイオハザードⅢ」でも、ずっと登場は囁かれていましたからね。それに、予告編などでもジルの姿は一切見られないし・・・これはもう自分の目で見て確認するまで安心できません。というわけで、
そ れ だ け の た め に 観 に 行 っ て 来 ま し た !
・・・ってそれはちょっと言いすぎか^^;
しかし、緊縮財政モードの今、この一大関心事がなければ、アリスの超人化が加速し、ゾンビ成分がどんどん低下し、悪戯にゲーム版のキャラが増えるだけのこのシリーズを観に、劇場に足を運ぶことはなかったでしょう。
そんだけ「Ⅱ」のジル=シエンナさんは素晴らしかった!作品的には「Ⅱ」が一番残念な出来だと思うんですが、シエンナさんのためだけにライブラリしているくらいですから!
ちなみに、私のシリーズ総評は、

  1. ゲーム版1作目に独自の記憶喪失サスペンスを効果的に絡めた、最も面白い作品。冒頭のエレベーターとワン隊長のサイコロ最高。シーンとシーンの繋ぎがちょっとおかしいのが残念
  2. せっかくの都市のゾンビ禍なのに演出が平坦すぎて・・・美味しいモチーフなだけに残念な料理法にガッカリ。ジルとカルロスはゲーム原作キャラには珍しく、原作より良いキャラになってるのが救い
  3. アイザックス博士最高!アイザックス博士の退場は本当に惜しい・・・あと砂漠ゾンビの肌の乾いた質感とか何気にクォリティ高い。お話も『Ⅱに比べれば』格段に面白い。コンテナから無限沸きするツナギ・ゾンビに爆笑出来たり、個人的にコストパフォーマンスは高い作品*3
  4. 後述

では、以下ネタバレありでいきますので、自己責任でどうぞ!
    
    
    
    
    
アンダーソン監督はもうちょっとはっちゃけてもよかったんじゃないかな・・・
「風呂敷広げすぎちゃったー?」と思ったのか、冒頭でアリスの超人的能力と、前作ラストで登場したアリス軍団を早々にオミットしちゃうんですよね。
そりゃゾンビ映画のテンプレも大好きですが、右も左も「俺の嫁」みたいなトンデモ超人バトル映画にしちゃった方が、いっそ清々しかったんじゃないか、なんて思ったり。
私は「前作のラストでインパクト与えるために付け加えた新要素」を大事にされるだけでその続編の評価を高める人なので、今回のアリス弱体化策は凄く残念なんですよ。*4
おそらく原作ゲームのキャラや要素を活かすためにアリスのインフレ気味能力を弱体化したのだろうけど、それにしちゃマジニ*5に対する説明が皆無だったり、ウェントワース・ミラー演じるクリス・レッドフィールドの人物像が「きみたちゲームでとっくにご存知だよね?」とでも言わんばかりに描写ゼロだったり、実にイイカゲンです。
クリスが、それこそ「Ⅱ」や「Ⅲ」のカルロス並に活きたキャラだったらまだよかったんですけどね・・・
そのクリスの妹クレアの記憶喪失ネタも勿体無い。1作目でアリスの「記憶喪失」が実に上手く機能していただけに、全然劇的じゃない使い方は本当に残念。
あと、アンダーソン監督って結構演出が冗長に感じてしまうところがあるんですが、本作は「3Dでバッチリ見せよう」という色気が出たのか、スローモーション多用で冗長さに拍車がかかっているのも残念な点。この映画97分しかないんですが、スローを無くしたらどんだけ短くなるんだろう・・・
ウェスカー議長の死んだと思ったら脱出していて自爆ボタンぽち!の繰り返しギャグは、故アイザックス博士の俊足アキレスばりの逃げ足を髣髴とさせて良かったですけどねw
あと、やはり良かったのはシエンナ・ギロリー再登場!!
これだけのために観に行ったに等しいので、そのお姿を拝めただけで満足です。そりゃ、カメオ出演に等しい僅かな出番でしたけど、エロイ格好だったんで許しますw
シエンナ目当ての人はスタッフロールが流れてもすぐ席を立っちゃ駄目だゾ☆
そんなわけで、アンダーソン監督にはジル・バレンタイン活躍必至の「バイオハザードⅤ」を製作するまで、どうか元気に頑張っていただきたいと思います(笑)

バイオハザードIII (角川ホラー文庫 (H519-2))

バイオハザードIII (角川ホラー文庫 (H519-2))

上でもちょこっと触れましたがノベライズ版「バイオハザードⅢ」は、ジルがもう一人の主人公扱いで、彼女とアンジェラ・アシュフォードの映画版での不在をキッチリ説明している傑作です。オススメ!
・・・そういや、「Ⅳ」はノベライズないのかな・・・翻訳されてないだけだったりして・・・もしまたディカンディードさんがイカすノベライズしてたりしたら悔しいのぅ・・・
あ、そうそう。S.D.ペリーのゲーム版「バイオハザード」シリーズのノベライズ(中央公論新社)も結構イイよ!

*1:しかし、このリンク先のシエンナさんの顔はちょっと・・・もうちょいイイ写真をですね?

*2:※←問題のシエンナ・ギロリーさん@「バイオハザードⅡ アポカリプス」

*3:旧ブログの感想記事⇒http://catglasses.exblog.jp/7616732/

*4:アリス超人化を引き継いだ「Ⅲ」に比較的高評価を与えている理由の1つでもあります。ジルやアンジェラの不在に詳しく触れてないのはアレですが、そこはノベライズ版(傑作です!旧ブログ『ノベライズ版Ⅲ』感想⇒http://catglasses.exblog.jp/7630986/)がフォローしてくれたし。あと、他の作品だと「REC2」とかも前作のオチを活かす展開が素敵。

*5:ゲーム版5から登場する寄生型非ゾンビ系モンスター。顔が寄生獣っぽく裂けたりクチからなんか出たりする