007カジノ・ロワイヤル（原題：CASINO ROYALE）
実は、この「カジノ・ロワイヤル」感想、旧ブログ時代に書いていたのにUPしていない*1ことが先日発覚。馬鹿ですか俺。そんなわけで今更ながらに、「慰めの報酬」鑑賞以前に書いたものを無修正でUP。「慰め〜」への過剰な期待感が今読むと微笑ましいですね＾＾；
（以下旧ブログ非公開記事より転載。ネタバレあるよ！決定的な部分は反転してるけど携帯だと反映されないので要注意！）
007 カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション(3枚組)
イアン・フレミンによる原作「カジノ・ロワイヤル」は実にしみったれた話で、それがまた実に良かった。
《小説版あらすじ》
敵は自分のミス*2で失った活動資金をバカラ*3で取り戻そうと企む、実に泣かせる境遇の追い詰められた男であり、対する我らが００７、ジェイムズ・ボンドに与えられた任務はそのバカラに勝ち、相手を破産させること・・・最大の山場はバカラのシーン。ええと、カイジとかそんな博打漫画じゃありませんが、まぁ、そんな感じです。
その上、最後ボンドは敵に捉えられ拷問を受け、あまつさえ自力脱出も出来ぬ有様。
敵は、組織の上層部が送り込んだ殺し屋に消され、ボンドはその暗殺対象に入ってなかったため、結果的に生き延びるという・・・
さらに、ボロボロで帰還したボンドを待っていたのはボンドガールの自殺。
なんと彼女は２重スパイで、ボンドを愛したために良心の呵責に耐えられなくなり、自ら命を絶ったのでした・・・終わり。
いやぁ、中学生（だったかな？）の頃、この原作小説を読んだ私は驚きましたよ。
え？これがジェームズ・ボンド？もしかして００７と００７号*4って別物なんじゃ？
上のあらすじを読んでいただければ、厨房だった私のそんな感想にも納得していただけるかと。
その、カジノ・ロワイヤルの映画化ですよ。（実は再映画化だけど、厳密には初の映画化と言ってよい）
これはもう（色々な意味で）期待しないわけにはいきません。さあ、どんくらい脚色されてんのか？てか影も形もないんじゃねぇの？だってオサレなボンド・シリーズだぜ？
ところが。
忠実でした！なんと、かなりの部分で忠実でした！！
原作の骨子をここまで残したボンド映画も珍しいです。*5しかも、メジャーエンタテインメント映画に不向きと思われる数々の原作要素を残したまま。 それでいて原作の骨子を損なわないアクションシーンの加味で、メジャーエンタテインメント映画としての成立にも成功している。
まずアクションシーン。
巷で言われているようにボーン的でもあり*6、００７従来の大味さも若干あり。
アクションの挟み方も上手かった。特に、ル・シッフルが巨額の負債をかかえる原因をボンドの新アクション・シークエンスにしたところとか。よかったね、シッフルさん！売春宿摘発されて資金源なくなったなんて情けない理由にならなくって！（笑）
そして、そのボーン的リアルと従来のおおらかさのチャンポンが不思議な化学反応を起こして、一種独特な「新生ボンドらしさ」を生み出しているように思えました。 まぁ、それが計画されたものか、はたまた偶然の産物であるかは、本作の続編「慰めの報酬」がハッキリしてくれることでしょう。わくわく。
次に、ボンドの人物造形。コレがイイ。
新人ダブルオー*7要員ボンドは、有能だけど無謀でヤンチャ！女に優しくない！そのヤンチャさを、ダニエル・クレイグがイイ感じに演じてます。ダニエルさんって某黄金の羅針盤*8でのカメオ出演的パパ演技しか見てなかったので、「オッサンかぁ」とか思ってたんですが、御免。若いよクレイグ！また笑顔が幼いんだコレが！惚れる＞＜
で、そのヤンチャ小僧ジェームズが、ヴェスパーとのやりとりで変わっていくのがもうコソバユイね！イイ！ヴェスパーにエロいドレス着せて*9「奴の目を引け」とか命じておきながら、自分が一番ガン見してるとか最高ｗ
そうして二人は恋に落ちていくわけですが・・・
ヴェスパーは本気だったんかなぁ・・・ボンドとのそれも一種の逃避やったんだろうか。必至なボンドが可愛そうすぎて泣けます。携帯に、ヴェスパーからのホワイトの番号が残されてるシーンで鳥肌立っちゃったよ、俺。
年末に出る新作あわせの限定ＤＶＤは予約しておくとします。*10 「慰めの報酬」はいの一番に劇場に行くとしますよ。
それにしても・・・
Ｍｒホワイトは一滴も水に濡れずにどうやってトランク回収したんでしょうね！＾＾；
