Wii「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド オーバーキル」雑感
文句なしの傑作である。シリーズ旧作の熱烈ファンから見たら「なにこの冗談」って感じの不真面目さであろうが、このタイトルは明らかに旧作ファンに向けて作られてないので全然オッケー。では誰に向けて作られているのか?
ズバリ、B級ホラー&アクション映画ファン。
もっと対象を狭めるなら、タランティーノ&ロドリゲスの「グラインドハウスUSA公開バージョン」好きに向けて作られているのだ。
とりあえず公式HPに行ってもらいたい。んで、ムービー各種をご覧いただきたい。・・・ね?
そして、その内容たるや、実は「グラインドハウス」以上にグラインドハウスしているのだから驚く。
ゾンビ・ネタのガンシューティング・ゲームなのに、OPムービーはゴーゴーガールのポール・ダンス!しかも何故かそこだけ実写w*1
益体もない会話が延々と続く!しかもガールズ・トークじゃなく男同士のな!*2
もう全編罵詈雑言スラング、つまりファックの嵐!*3
無駄にグロい!そしてWiiソフトとは思えないインモラルさ!*4
当然リール紛失ネタも完備!*5
さらに私が感銘を受けたのは、このゲームが「グラインドハウスUSA公開バージョン」の中でもとえいわけ「プラネットテラー」にリスペクトしつつ、「プラネットテラー」の「弱点」、つまり、「グラインドハウス映画をネタにしているわりには普通に楽しめる映画としてマジメに作られちゃってる」*6という点を払拭していること。
そして本編自体にフェイク予告の感覚*7までも投入し、「グラインドハウスUSA公開バージョン」の味を、あまさず再現してしまっているのだから、凄い。
さらに、さすが映画好きを対象にしているだけあり、ゲーム部分は至極ライトだ。無限コンティニューな上その場で再開なので、どんな下手な人でも絶対ラストまで辿り着けること請け合い。製作者の「とにかく俺的グラインドハウスを見て!見て!」というう稚気溢れる声が聞こえてきそうだw
勿論、歯応えのあるガンシュー好きのためにも、ステージ選択画面には「ゾンビ増量」ボタンが。
そして、一度クリアすると「ディレクターズ・カット版」がプレイ可能と、実にわかっている。
そんなわけで、もし「グラインドハウスUSA公開バージョン」が好きで、Wiiを所有していたのなら、個人的にはイチオシしたいゲームなのです。
- 出版社/メーカー: セガ
- 発売日: 2009/09/17
- メディア: Video Game
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*1:勿論「プラネットテラー」のパクリ!。ちなみに公式HP⇒ギャラリー⇒ムービーで見れます
*3:なんか一番ファックって台詞が多いソフトとして認定されたっぽいw
*4:もう某キャラ同士のディープ・キス・シーンや、○○○○の末路とか、○○○○とか、ホント任天堂どうしちゃったの?もしかして規制的な意味ではソニーやMSKKより緩かったりするの?
*5:まさかあそこで持ってくるとはw
*6:「プラネットテラー」は単体のなんちゃってゾンビ・アクション映画としては満点の出来だが、「グラインドハウス映画」としてみると「グラインドハウス映画の駄目な部分ネタ」がリール紛失くらいしかないのだよね。「デスプルーフ」が「グラインドハウス映画のイカす部分と駄目な部分の過剰なまでの誇張」なだけに、あわせて見るとそこが余計に際立つのだ。きっとロドリゲスってマジメな人なんだと思う
*7:やたらイイ声で大仰にかかるナレーションw