「マーターズ」短評(初回鑑賞時)

※2回目鑑賞時に致命的な見落としに気付いたので、近日中に短評その2を近日中にUP予定。
以下本文は、視野狭窄な勘違い感想文としてお読みいただければ幸いです。ぺこり。

  
マーターズ」の短評なのに、なんでクリステン・スチュワートの画像(⇒)なのかというと、コレには理由がありまして。
私、所謂『凹み系』映画は観たくない人なんですよ。なんとかノエとかなんとかハネケとか。鑑賞後ズシンと落ち込むような作品を観たくないワケは、多分映画に求めているのが『カタルシス』だから。*1
特にホラーにはそれが顕著で、というのも、ホラー映画に私が求めるモノって、アクション映画のそれと一緒なんですよ。
というか、ホラー映画とアクション映画の文法っておんなじだと思うのね?大爆発、カーアクション&クラッシュ=ゴア・シーン。大爆発はいかに派手かにかかっているけれど*2、ゴアの場合はそんなに予算をかけなくてもアイデアと工夫と熱意でリアリティと意外性を演出できるし、マンハッタンがどうのとか数百人が云々より、自分の小指がぶった切られる方がよっぽど切迫感がありますし。
そしてラストは犠牲者だった主人公による加害者への逆襲!これがたまんないんです。ってコレ、ホラーというよりスラッシャーの文法か・・・
ようするに思いっきり娯楽作品嗜好な私は、ホラーといえどあんま重いのはちょっとなぁ、と「マーターズ」は敬遠してきたわけです。
似たような理由で「屋敷女」にも二の足を踏んだのだけど、あっちは意外にも娯楽性がたっぷりで、最後もストレートではないにしろカタルシスを得られるものだったのでセーフでしたが。*3
そしてこの「マーターズ」も、鑑賞に二の足を踏んでる間にヤバそうな評判が耳に入ってくるわけですよ。あー、こりゃますますスルーしとくのが吉かなぁ・・・なんて思っていた矢先に、とんでもない情報が。
バイオレンスホラー『マーターズ』のリメイク版でクリステン・スチュワートが主演?
・・・なにしろ「トワイライト」シリーズにゾッコン(私語)になって以来、カーライル先生が主演というだけで「インビジブル2」をライブラリした私ですからね?これはもう、観ておかねばなるまいっ!となる道理なわけです。

あらすじ
監禁され拷問、虐待を繰り返されながら、自力で脱出した少女リュシー。
トラウマに怯えながらも施設で知り合った親友アンナを支えに成長するも、事件から15年後、自分を監禁・虐待した一家の所在を知ることとなり、猟銃を片手に屋敷を襲撃。一家を惨殺する。
凶行を知ったアンナはなんとか親友を助けようと事件の隠蔽を図るが・・・

前半は凄い。ホント凄い。
冒頭の逃げ出す少女の絵からしてヤバすぎ。続く少女のトラウマ描写なんかも、親友となるアンナとからめて上手く描かれてる。
そして、唐突に始まる一家襲撃。この一家がまた、善良なごく普通の家族にしか見えないよう演出されていて、はたして彼らがリュシーを監禁・虐待した悪魔なのか、それともリュシーがおかしいだけなのか、という疑念が持続するんですよね。
そしてその疑念を視聴者とアンナが共有出来るよう進行するので、アンナに共感しやすい構成も上手い。
(※以下、ネタバレあります!もし少しでも鑑賞する気があるのなら、これ以上の前知識ナシでの鑑賞をオススメします!いやマジで)
  
  
  
  
で中盤、アンナが生存者を助けようとしていたことがリュシーに明らかになり、高まるサスペンス。その頂点でリュシーを度々襲う異形の女が、リュシーの妄想の産物であることが判明し、物語は決着に向かうかと思いきや・・・
アンナが発見する地下室。そしてその奥に監禁されていた凄まじい虐待を受けていた女性の出現と、もうここらへんの物語の転がし方は本当にドキドキしました。
 
が・・・その後。
「若いおねーちゃんをボコボコにしてアッチの世界に行かせちゃう会」(仮名)のマドモワゼルが『ま、そーいうことだから』と、以降監禁されたアンナが男にボコボコにされゲロみたいな流動食無理やり食わされゴシゴシ洗われボコボコにされ・・・が淡々と繰り返されます。徐々に人相が変わっていき生気を無くしていくアンナの特殊メイクと芝居は凄くて「痛々しさ」はそれこそ痛いほど伝わってくるんですが、展開としてあまりに淡白しすぎやしないかな・・・
「脱出の可能性」や「希望」が微塵も描かれていないそれは、アンナが『殉教者』になるのに説得力を持たせるためとは思うけど、正直退屈だったなぁ・・・思うに、監督さんは拷問シーンはあんまり描きたくなかったんじゃないかなぁ。
ここ、イーライ・ロスだったら色んな拷問手段を取り揃えたり、もっとヒロインを騒がせたりすると思うんですよね。このシーンをもエンターテインメント化しようとして。
でも、パスカル・ロジェ監督は、「殉教」に説得力を持たせたかっただけなんじゃないかな。私の勝手な印象なので違うかもしれませんけどね。
それと、この印象は、私が物語の筋をほとんど前知識で仕入れちゃっていたせいも大きいと思う。
もし前情報なしだったら、ヒロインのあまりに報われない状況に、「展開淡白だなぁ」とか平静ではいられなかったはず。
この時ばかりは前情報仕入れていたのを後悔しました・・・やっぱ映画はマッサラの状態で観るのが一番です。当然ですけどね!w
あと、前半部分を褒めましたが、それでも『お前ら一家皆殺しにした屋敷でくつろぎすぎw』とは思いました^^;
 
そんなわけで、なんだかんだ言ったけれど一見の価値はあると思いますよ。個人的には「屋敷女」に比べてヤバさ痛さとも薄く感じましたし、関心があるなら観てみるのも一興かと。
  
さて最後にリメイクの噂ですが、↑のリンク先のプロデューサー、ウィック・ゴッドフレイのインタビューにもあるように、早々にシナリオ改変は宣言されているので、やっぱ最後はアンナが脱走に成功して組織をボコってハッピーエンド?
・・・ってそれじゃあ「ホステル」になっちゃうね・・・どうなるのかなぁ。
ところでクリステンは絶対リュシー役だと思いません?
いやもう陰のあるクリステンにピッタリだと思うんですけどw
クリステンがリュシー役をやるなら、実は生きていてアンナを助ける・・・とかありそうw
んで、アンナ役がダコタ・ファニングだったらもう完璧ですなぁ。トワイライター的にw
 
短評(2回目鑑賞時)へつづきます。

*1:負のカタルシスってのもありますけどね!まぁ、ぶっちゃけ食わず嫌いの側面もあります・・・

*2:一概にそうとは言えないけどね

*3:旧ブログの「屋敷女」感想⇒http://catglasses.exblog.jp/9351197/